子育てや育児についての悩みをお聞きしています。

0歳児について

0歳児について

■0歳児の特徴(0歳から1歳)

発育と発達が非常に早い1年です。1歳児では、体重は生まれた時(3kg)の約3倍(9kg)になり身長も約50cmであった乳児が約75cmになります。

活動面でも発育は急速で、寝返りもできずに寝ていた乳児が1歳頃になると伝い歩きや独りで歩くことができるようになります。

昨日までできなかったことが今日はできるなど嬉しいことも多いですが、目を離したすきに転んだり、熱いお湯の入った茶碗をひっくり返してやけどをするなど事故を起こしやすくなるので目が離せない時期でもあります。

この時期は目に見えて成長するので他の子どもと比較してしまいがちです。例えば体重、身長、身体発育、言語発達などはどの乳児も皆同じ速度で進むのはなく、一つ一つの行動ができるようになる月齢も乳幼児により早かったり遅かったりしますが、他の子と同じでないと不安になりがちです。

その不安に対処するには、一つの行動ができるようになるには期間に幅があることを認識することが大事です。

■0歳の成長発達

1)誕生~2ヶ月
  この月齢では、健康で空腹ではなく不快な刺激がなければ殆どの時間を寝て過ごし、たとえ目覚めたとしても泣くことは少ないでしょう。不快な刺激というのは、オムツの濡れや環境温度の高低、湿度が高すぎたり空気が乾きすぎるなどです。

温度の高低に関しては乳児は敏感に反応します。乳児は体温調節が大人ほど発達していないので外界の気温が高くなると体温も上がり外界の気温が低くなると体温もさがってしまうからです。

空腹で泣く場合でも哺乳間隔は乳児により異なることを知っておきましょう。3時間毎に空腹で泣く乳児もいますが、一回に飲む量が少ない場合には一休みしてからもう一度飲み、その後に数時間寝る子や、逆に1回飲む量が多く長時間空腹を訴えない子など、飲む量や哺乳間隔は様々です。

満2ヶ月頃になると、起きている時間が増えます。しかし中には1回の哺乳量が増えるのでグッスリ寝る場合もあります。

行動面では、殆どが反射的なものです。乳首を口の近くに持っていくと吸い付こうとする反射、手のひらに指などが触れると握ろうとする反射、大きな音などでビクッとして両腕を抱えるような反射(モロー反射)などがあり、動く物を見ると追視するようになります。顔の筋肉も発達し笑ったような顔をすることもあります。それを見て周囲が「笑った笑った」と言っていると、ある時点から顔の筋肉の動きと笑うという行動とが乳児のなかでつながっていきます。

色々な行動をした時にそれを意味づける言葉かけをしていると自然に言葉を覚えていきます。乳児が話さないからと大人も黙っていると乳児は言葉を覚えていきません。

2)3ヶ月~4ヶ月
身体発達では首が据わるようになり抱くのがらくになります。感覚器も発達し、目と耳の協応動作が可能となり音のする方へかなり正確に耳や体を動かすことができるようになります。目の前に出された物に手を伸ばすことができたり指を使って物を握れるようになります。

3)5ヶ月~6ヶ月
離乳開始に関しては1975年頃になって早期離乳が言われ始めました。それまでは1歳になってから離乳を開始していたので食べないからといっても焦る必要はありません。また逆に母乳が出なくなりミルクを嫌がる場合には離乳を早めるなど臨機応変の対応が必要です。

離乳の進め方は一匙から始め、毎日同じものを一匙づつ増やし5匙くらいになったら食べたい量を与えるようにします。そして異常がなければ別の食べ物を与えるようにしていくのがよいでしょう。そのようなやり方で離乳をすすめると、発疹(あかいブツブツ)が出たり下痢などした場合にどの食べ物が体に合わないかがハッキリするので対処がしやすいからです。

この頃になると、生活のスタイルが一変します。“寝返り”と“ける動作”ができるようになり、仰向けからうつぶせへ、うつぶせから仰向けへと寝返り、おむつを替えるのもやりにくくなります。

6ヶ月頃になるとうつぶせにした時、首が上がり両手で上半身を支えようとします。初めは長続きしないものの、次第に上手になり、腕をつっぱって後ずさりをすることもあります。脇を支えて立たせると、足を伸ばし身体を押し出そうとするようになります。

こうした運動能力の発達と共に視覚・聴覚・触覚などの感覚器を使う3つの運動能力(感覚運動能力)も発達します。

1 見た物に手を伸ばす動作ができる。

2 音のする方向へかなり正確に目や身体を向けることができる。(目と耳との協応動作)

3 指を使って触れることで物を探すことができる。

4)7ヶ月~8ヶ月
人間らしい感情とか大人と共感して喜ぶ気持ちがはっきり出て、可愛らしくなります。運動能力にも大きな変化が見られるようになりお座りとハイハイができるようになります。

お座りは初めのうちぎこちなくてパタンと倒れることもありますが、次第に背筋がしっかりして上手にできるように支えなくても一人で座れるようになり、側にあるおもちゃに手を伸ばしてつかむことができるようになります 。

後ずさりのハイハイを覚えると次第に腕の力で前へ進もうとするようになります。しかし月齢の発達どおりにできるようにならないからといって心配しすぎることはありません。ただしあまりかまってやらないと学習できないために発達がおくれることもあります。

5)9ヶ月から10ヶ月
離乳食が2~3回食に進む時期です。今までのミルクからフォローアップミルクに替えても良いでしょう。
 
9ヶ月を過ぎる頃にはハイハイも足を使いスピードがついたものになります。また、はいはいをしながら、何かの上に登ろうとする能力が現れてきます。

初めは20cm程度から30cm以上の高さを這い上がるようになります。色々な物に興味をもち触ったり引っ張ったり舐(な)めたりするので危険なものを手の届かないところ置くように注意しましょう 。

運動発達のはやい子は歩き始めるので、行動範囲が広くなり手の届く範囲も広がり事故が多くなります。薬・タバコの吸い殻の誤飲、炊飯器の湯気やストーブによる火傷に気をつけましょう。

6)11ヶ月~1歳
離乳も完了間近となり幼児食へと移行します。この頃になると、何に対しても強い好奇心を示し外界認知が急速に発達します。身体を使うことに興味を持つようになり、いくつかの重要な運動能力が発達します。

お腹が床から上がり、高這が上手にできるようになり、何かにつかまり自分を引っ張り上げて立とうとします。何度も失敗しながら家具や大人につかまって上手に立ち上がれるようになるとつたい歩きが可能となります。

1歳前後で一人歩きが可能となる反面、行動範囲が広がり転倒転落などの危険も大となるので注意しましょう。

 

■0歳児期で大切にしたいこと

1 ゆったりと心地良く人や物と触れ合うこと

○食べること、眠ることは健康な心や身体を作るもとになります。
0歳児にとって睡眠は大切です。十分眠れると目覚めた後もすっきりと機嫌良く遊び、お腹も空いてたっぷり食べることができます。
その為には生理的なリズムを大切にしながらメリハリのある日課を組みゆっくり時間をかけて働きかけ生活リズムを整えていきましょう。落ち着いて気持ち良く過ごせるように環境作りをします。
ゆったり食べられる雰囲気作りにも工夫しましょう。

○目覚めている時間には快く触れ合う
「いない、いない、ばあ」やわらべ歌を歌いながらの手遊びくすぐり遊びなどのあやし遊びを楽しむように心がけましょう。正面から向き合い必ず名前を呼んで目を合わせながら、間を作って優しく表情豊かに声かけをします。子どもの思いを読み取りしっかり受け止めて心地良い気持ちのやりとりを楽しみましょう。

○仰向けやうつぶせおすわりなど色々な姿勢で遊べるように配慮
色々な姿勢で遊ぶことも必要。言葉かけをしうつぶせから寝返りできるようにサポートもして子ども自身が新しい姿勢になったことを感じられるようにしましょう。

2 大人との安定した関係をつくりながら未知の世界へ

○よく動きまわり興味を持つことも多くなるので危険なものや小さな物など手の届く所へ置かないようにしましょう。事故に気を付けましょう。

○外から部屋へ入った時など、生活の区切りで不安になって泣いたり、混乱することがあるので、大人は余分な動きはしないよう心がけゆったりした時間を過ごすよう工夫しましょう。

○運動面で大きな変化が見られます。子どもの興味、関心、意欲を大切にし新しい運動能力を獲得できるようにしましょう。

○ 10ヶ月前後は気持ちが揺れ動きやすいので、不安になった時は抱くなどして落ち着かせます。安心できる大人との信頼関係を作りながら、新しい世界に向かっていこうとする前向きの心を支えていくことが大切です。10ヶ月過ぎから1歳代にかけて「自分でしてみたい」という思いが高まってくるのでその気持ちを大切にしましょう。

今までにいただいたご相談と回答例

1 哺乳びんの乳首を嫌う
母乳が少なくなったのでミルクを足そうとするのですが哺乳びんの乳首を嫌って飲みません。

母乳だけで育っている赤ちゃんは、湯ざましなども飲まないことが多いので、哺乳びんを使う機会がなく乳首に慣れていないのです。母乳がパッタリ止まったのでなければ、母乳を出す努力をしながら、哺乳びんのお稽古を始めましょう。いきなり、ミルクではなく果汁や湯ざましなど赤ちゃんの好きなものをお風呂上りやお散歩から帰った時に少しずつ哺乳びんで飲めるようになったら、母乳の後にミルクを足さず、次の授乳時間のおなかがすいている時にミルクを試してみます。その時、ミルクを飲まなくてもすぐ母乳を与えたりしないで少し我慢させましょう。1日に数回毎日根気よく練習して、乳首にも固めのもの、柔らかめのもの、クロスカットなど色々種類がありますからいくつか試してみるのもよいでしょう。それでも頑固に乳首を嫌う時は、おさじやスポイト、おちょこや小さなコップで一口ずつ飲ませます。嫌がるのにしつこく無理強いするのはよくありません。「哺乳びんを持って散歩に行き、公園でベビーカーに乗せたまま飲ませてみたらうまくいった」と大喜びで話してくださったお母さんがいます。あきらめないで工夫してみましょう。

2 開缶した粉ミルクの保存
生まれた時にお祝いで貰った粉ミルクがありますが、飲ませてもよいですか。また、缶を開けたらどのくらい持つのでしょうか。

それぞれの粉ミルク缶には、保存の注意が書いてあります。1度は読んでおきましょう。開缶していない粉ミルクの場合、保存期間は常温で製造年月日から1年半。缶を開けたらきっちりふたをして常温で1ヶ月以内に使いきるように。製造年月日は、缶の底に書いてありますので買う時によく確かめましょう。粉ミルクは室温や高温にとても敏感です。日の当る場所や台所のような高温多湿な所は避けて、涼しい乾燥した場所に置いておくことが大切です。ふたを開けた後冷蔵庫に入れると、出し入れする度に温度変化が起こって水滴がつき、粉ミルクが湿って溶けにくくなります。いつもサラサラした状態に保つには、使ったスプーンを缶に入れたままにしたり、濡れたスプーンですくったりするのもやめましょう。

4 飲み残しのミルク
ミルクを少し飲んでは眠り、すぐまた目を覚まします。
飲み残しのミルクを与えてもよいでしょうか。

原則として飲み残したら、その都度捨てるなり、お母さんが飲んでしまったりして処分したいものです。赤ちゃんが飲み残す原因をよく考えて量が多すぎるようなら、一度で飲みきってしまうだけの分量を作りましょう。眠りかけた時に、ゲップを出させると目を覚ましてまた飲むことがあります。吸う力の弱い赤ちゃんは、飲むと疲れてウトウトすることもあるので乳首の穴の大きさが適当かどうかよく調べて飲み残しのないように工夫しましょう。

5 室温と湿度
赤ちゃんの部屋の温度や湿度はどれくらいがよいですか。
また、室温は夜中も一定に保たなければいけませんか。

赤ちゃんに快適な室温は発育の段階によっても多少違いますが、大体18~20度前後で、湿度は50~60%です。寒い部屋で厚着をしていては自由に動けません。暖かい部屋で薄着にしているほうが赤ちゃんも活発に動けてよいでしょう。一般の家庭で夜中まで室温を一定に保つことはとても難しいことです。古いタイプの石油ストーブなどつけっ放しでは空気の汚れが心配です。ストーブは寝る前に止め、すきま風を防ぐ工夫をした上で衣類やふとんで調節したり、湯たんぽを使用しましょう。授乳の時やおむつの交換は、電気ストーブを利用すると便利です。

6 冷房
赤ちゃんの体には冷房がよくないと聞きましたがどうなのでしょう。
クーラーを入れるとすれば、室温はどのくらいにすればよいでしょう。

最近の都会では樹木の緑も少なく、アスファルトやコンクリートの照り返しが強くて、自然の風が充分に入ってこないところが多くなりました。このような暑い所で、赤ちゃんを育てるには冷房も必要です。クーラーの冷たい風を直接赤ちゃんに当てないように、風向きを変えたりベッドの位置に気をつけましょう。室温は外気との差を大体5度くらいにして24~25度以下には下げないほうがよいでしょう。

7 タバコを食べた
灰皿の中に残っていた煙草を少しかじってしまったようです。
口の中をすぐ拭いてミルクをかなりたくさん飲ませました。他にどうすればよいでしょうか。

ハイハイが始まる頃の赤ちゃんの事故の中で多いのはタバコの誤飲です。タバコに含まれているニコチンの量から、子どもでは数本で致命的になることもあります。ニコチンは胃の粘膜から早く吸収されますので、たとえ致死量以下でも呼吸困難やけいれんなどを起こすこともあります。赤ちゃんがタバコを食べたと気が付いた時は、すぐ口の中に残っているものを拭き取り、水やミルクは飲ませず吐かせることです。そして病院へ行くのが一番安全でしょう。もしもの場合は、病院で胃洗滌をしてもらいましょう。(医師の診断を仰ぐ)

8 ナフタリンをかじった
衣類を整理していたら、側に落ちていたナフタリンをかじってしまいました。

かじったり、食べたりしたことを発見したら、直ちに吐かせることです。ナフタリンは脂肪に溶けますので、牛乳を飲ませてはいけません。
さ湯や水をできるだけたくさん飲ませて吐かせ、急いで病院へ連れて行きましょう。

9 蚊取り線香をなめた
渦巻き型の蚊取り線香をかじって口の中を青く染めてしまいました。
飲み込んでしまった場合は何か体に悪い影響を及ぼすでしょうか。

メーカーによって成分が少しずつ違いますが、大部分の蚊取り線香は除虫菊の中の殺虫成分を合成したものに、おがくず、のり、色素などを固めたものです。ほんの少しなめた程度なら、よく口の中を拭いておけばよいでしょう。たくさんかじって飲み込んでしまった場合は一応、医師の診察を受けて下さい。発見した場合はすぐ牛乳などを飲ませて吐かせることも大切です。

10 体温計をかじった
おもちゃにして口にくわえていた体温計を誤ってかじってしまいました。ガラスが破れ水銀が飛び散りました。水銀も飲んでしまったかもしれません。

体温計に使用されている水銀は、無機水銀です。従って、数日たつと便の中に小さなつぶつぶとなって排泄されます。あまり心配する必要はありませんが口の中にガラスの破片が残らないように充分とりのぞきましょう。

11 外気浴
外気浴は、いつからどんなふうに始めるのがいいでしょうか。

生後1ヶ月過ぎたら始めましょう。最初は窓を開けて外気に慣らし次に戸外に出て5分10分と散歩の時間を増やしていきましょう。風の強い日は避けて、夏は朝夕の涼しい時間帯に、冬は暖かい時間帯を選んで30分か1時間は外気浴をしたいものです。寒い冬はとかく部屋の中に閉じこもりがちですが、外気に当ることで赤ちゃんの皮膚や粘膜が鍛えられます。また冬に多い夜泣きの原因のひとつに運動不足がありますし外気浴は運動不足解消にも役立ちます。その時、紫外線をカットするように注意してください。

12 日光浴
アパートなので、冬は陽が入りません。日光浴ができないのが心配です。

最近では紫外線による皮膚ガンの発生が心配されており、日光浴は勧められていません。外出時なども帽子をかぶる、肌を出さない、肌を出す時には紫外線カット用のクリーム(乳児用)をつけるなどの配慮をして下さい。

■乳児健診でよくある質問です

○1母乳が足りているか。(1ヶ月)
母乳育児の場合、1ヶ月目の体重が出生体重ではなく、生後の生理的体重減少による最低体重と比べて、700~800g増えていれば足りている。

○2ミルクで体重が2kgも増えた。(1ヶ月)
1~2ヶ月の赤ちゃんは反射的に乳を飲み、疲れるまで飲むため飲みすぎることがある。しかし2~3ヶ月からは脳の発達と共に、自律的に飲むようになり満腹したらやめ、拒否反応もみられるようになる。今後もこのペースで体重が増えるわけではないので心配ない。

○3おっぱいをよく吐く
赤ちゃんの胃は縦型で入り口(噴門)がゆるく吐きやすい。全身状態や体重の増えが良ければ心配ない。2~3ヶ月頃から頻回に噴水状に多量に吐く時は、出口(幽門)の筋肉肥厚による幽門狭窄症の疑いがあるので病院へ。

○4母乳中のダイオキシンが心配
ダイオキシンの催奇形性、発癌性、生殖器への毒性、免疫内分泌系への影響が問題になっている。
ダイオキシン類の耐容1日摂取量(TDI)
1~4pg/kg 1998、WHO
母乳中のダイオキシン量は、人によりさまざまである。WHO、厚生労働省では母乳のメリットを考慮し、母乳を中止すべきではないとしている。ダイオキシンなど有害物質をできるだけ取り込まないような予防が大事である。

○5授乳中の母親が薬を飲んでもいいか。
薬の母乳中への移行は0.5~5%程度。抗癌剤、免疫抑制剤、ある種の向精神薬、放射性物質は母乳禁。しかしほとんどの薬は飲んでさしつかえない。

○6 1才になるので、断乳すべきか。
1才で断乳という根拠は何もない。1才すぎたら栄養面よりむしろ精神面での必要性があると考え、無理に断乳するよりっも子どもが自然にやめるまで飲ませよう。

○7便の回数が多く、水っぽい。下痢か?
赤ちゃんの栄養の違いにより便の回数も性状も異なる。一般に母乳栄養の時の便は人工栄養に比べ、回数も多く水っぽい。下痢ではない。赤ちゃんの便に関しては正常範囲が広いので、心配ならば便の付いたオムツを持参し病院へ。熱がある、機嫌や飲みが悪いなど何らかの症状や、血便、白色便がみられる時は病院へ。

○8鼻がつまって苦しそう。
赤ちゃんは生後半年くらいまで、主に鼻呼吸をするので、鼻屎や鼻汁がつまっていると、呼吸が苦しそう、飲みが悪い、機嫌が悪い、夜寝ないなどの症状がみられることがある。時々綿棒で鼻腔のつまりを取ってあげよう。

○9夜、なかなか寝ない。新生児の睡眠時間は1日16時間以上で、実際には短い睡眠を多くとっている。うち半分はレム睡眠(脳は覚醒)。6ヶ月頃から夜まとめて寝るようになる。部屋の照明(豆電球をつけている人が多い)や部屋の暑さが睡眠をさまたげていることが多い。

○10 37℃台の微熱がある。
乳幼児の場合、37℃前半の熱は赤ちゃんが元気であり飲みもよければ平熱と考えてよい場合が多いが平熱かどうかは検査が必要な事もある。37.5℃以上の熱の場合は病院で見てもらった方が安全である。希ではあるが平熱で肺炎のことがあり、その場合は呼吸状態がおかしいなど、発熱以外の症状がある場合が多い。熱だけにとらわれずに全身状態に配慮することが重要である。

○11顔に赤い湿疹ができた。
乳児性湿疹という赤ちゃんにありふれた湿疹のことが多いので、軽いうちは石鹸で洗顔する。それでもよくならなければ、赤ちゃんの肌はとても弱いので自己流に治療するのではなく皮膚科を勧める。

○12オムツかぶれができた。
オムツかぶれ用の軟膏を塗布し、坐浴させる。オムツはまめに代える。治らなければカビによるオムツかぶれの可能性があり、皮膚科へ。日常の手入れにオシリふきではなく、ビデを使うと良い。

○13異物を誤飲した。
飲んだ物によって処置方法が違う。タバコの場合、タバコの漬かった水を飲んだ、2cm以上のタバコの葉を食べた、少量でも嘔吐や顔色不良などの症状がみられる、のいずれかの場合は病院へ。ピーナッツやビニール風船も気道につまり易く危険である。どの程度の大きさのものが飲み込めるかは<チャイルド・マウス>の大きさまでのものは全てその可能性がある。
対処方法がわからない場合は病院又は中毒110番に相談する。
大阪中毒110番 tel.0990-50-2499(24時間365日)
つくば 〃 0990-52-9899(毎日9:00~17:00 12月31日を除く)

○14  1才4ヶ月なのにまだ歩かない。
1才頃に7割、早い子は9ヶ月、遅い子は1才半頃に歩き始める。このように個人差があるので、これまで頚のすわり、おすわりなどの運動発達に問題がなければ、1才半まで様子をみる。早く歩くよりは、むしろハイハイを長くやった方が、全身の筋肉や脳の発達に良い。

○15 牛乳はいつから与えるか。
母乳と牛乳を比べると、母乳の方が鉄分(Fe)が多く、又鉄分の吸収を促進するビタミンCが多い。早くから牛乳を飲ませると、牛乳貧血と呼ばれる乳児「Fe欠乏性貧血」をおこすことがある。最近ではフォローアップミルクを3歳頃まで飲ませるほうが良いと言われている。それから牛乳にきりかえても遅くはない。